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  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)


    京都の油小路にある町屋秦家を訪ねました。
    この秦家は小児薬、かつて「太子山奇応丸」を作っていた商家でした。
    京都の町屋らしいたたずまいをもった民家です。
    座敷に座って、この町屋にお住まいの女性からお話をききました。
    仲間のひとりが聞きました。
    「縁側に、網戸をしていませんが、蚊は入ってきませんか?」
    「もちろん、入ってきますえ。入ってきたらこうして」と腕をぱちんと。
    「なぜ、網戸をしないのですか」
    「網戸? あれはみっとものうてね。庭がすっきり見えませんし〜。寝るときは蚊帳をつかってます」

    「クーラーもつけてませんの?」
    「ええ、庭に水を打てば、町屋は風が通ってけっこう涼しいんです。庭に水を打つときには蚊にいっぱいやられますけどね。
    それに密閉している部屋より、季節季節の湿りやひんやりした空気が感じられますし。それが気もちいいですしね」

    「家の改造はされませんか?」
    「もちろん町屋は生活の場です。保存だけが目的でなく、時代時代の生活とあわせて改造してきました。明治の先祖もけっこう新しもん好きで、明治時代に障子をこのガラスにしました。座敷から庭がよく見えるのでね。
    この廊下も個人の空間が必要だということで、後からつけたもんです。
    文化としての美意識と、日常生活の折り合いをつけてゆくかが町屋のたいせつなところやと思います〜」

    生活の中で、網戸よりも座敷から見える庭の姿を守り、庭の空気と室内の空気を大切にする・・・・資料館としての町屋保存ではなく、住まいとしての保存には、そこに住む人の気概や美意識が必要なのでしょう。

    コメント9件を表示する 2008/05/25 11:01

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