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  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)


    琵琶湖東岸を北に向かい、夕暮れ近い岸辺から湖を望むと、西に傾いた陽が湖面を錫の箔を撒いたように照らし、黒い木々の影が水に映り、その影をさざなみが揺らしています。

    湖北の水辺には哀しみが漂っています。
    井上靖の小説「星と祭」の主人公は、娘をこの湖でなくし、長年この地を訪れることができませんでした。
    長い年月の末、ようやくこの地を訪れ、湖北の十一面観音の里を巡り、岸辺に立ち、湖上に出るのです。
    また戦国期には、戦乱に翻弄された浅井氏の妻、お市の方の哀しみさえも、この水辺に漂っています。

    さらに余呉湖では、菊石姫という娘が、旱魃が続いた村を救うために湖に身を投げ、蛇身となって雨を降らせた話や、羽衣伝説など、女性たちの哀しみを帯びた風景が夕暮れ時に漂うのです。

    湖北の岸辺から狭霧のむこうに霞む竹生島が、そんな哀しみを象徴しているように浮かんでいます。


    コメント11件を表示する 2008/06/17 12:05

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    原風景を歩く(O.C.)

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