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  • サークル名:道草


    そこは野外で、おおぜいの同窓生たちが三々五々集ってきて、みな懐かしそうに親しげに話しをしていた。私も若やいだ気分で皆の方へ向かっていた。ふっと人の気配を感じてそちらを見ると、A君が並んで歩いている。少年の頃のまま大人になったような顔立ち。彼は前を向いたまま、ごく自然に私と手をつないだ。そしてその手を離しかけて、もう一度今度は指を絡ませるようにしっかりと私の手を握った。私は、かれの意外な行動に驚いたものの、なんだか嬉しくなって、軽やかな足取りでみなの方へ歩いていった。
    するとH君が、突然、わたしのもう片方の手を取って、一緒に歩くではないか。“この野暮天!!”と風船が急にしぼんでしまったような思いがした途端、目が覚めた。
    A君とは中学の一・2年一緒のクラスだった。色白でふっくらとした顔立ちで、大人しくて頭の良い男の子だった。両親が小学校の先生だったが、彼が、女子と話をしているところなど見たことも無かった。中学の頃、私は、何かの用事で言葉を交わすことはあったが、会話をした覚えはない。高校は同じ北高へ行ったが、卒業後は、一度も彼に会っていないのに、何故突然にA君なのだろう?私は、小学校の時も中学の時も、育ちの良さそうで、シャイな彼に近寄りがたい憧れを感じていたのだろうか?自分では少しも気づいていなかったのに、、初めて少女の頃の胸の中を覗いたようて遠い日の想いが、ほほえましく思えた。突然現れて私の夢を壊しらH君は、私が就職していた職場で、何人かいた若い男の人たちの一人で、中でも一番実直で野暮な感じの人だった。私の夢の中では気の毒な役回りではあった。高校の卒業の時に交わした写真の中に、A君の写真もある、なんといって貰ったのか、記憶に無い。
     まどろんで 淡き思いは 夢の中 
    コメント19件を表示する 2008/07/13 09:07

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