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  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)


    熊野古道の中辺路をゆくと、「野中の一方杉」近くの峠道に、「とがの木茶屋という」萱葺屋根に紅い毛氈の茶店があります。
    昼どきを少し過ぎた時間。
    「こんにちは〜。お願いしま〜す」
    テレビの音が聞えていますが、反応がありません。
    中に入っていって、障子に向かって「こんにちは〜」
    ようやくお婆さんが出てこられました。
    「最近耳が遠くなりましてねぇ・・・」
    「なにか、食事はできますか」
    「いえいえ。・・・・餡餅(あんもち)なら」
    と、いうことで、餡餅をいただくことにしました。
    「いつごろから茶店をされているのですか」
    「私は84歳、建物は江戸時代末のものです。もともとは熊野古道の旅籠だったのです」
    この峠で、先祖代々、古道を往来する老若男女を見てこられたようです。

    これから、餡餅をつくってくれるらしいのです。
    急ぐ旅ではありません。時間はたっぷりあるのです。
    縁側に腰をかけて、はるかに広がる熊野の山々を眺めて餡餅のできるのを待つことにしましょう。
    のびやかな風景に、のびやかな時間が流れています。
    すでに古道の峠には萩の花が咲き始めています。
    コメント14件を表示する 2009/07/21 12:25

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    原風景を歩く(O.C.)

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