スローネットは新サイトに移行いたしました。今すぐアクセス

  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)


    「近畿で一番高い山は、何山ですか」
    山陰に住む知人からそう訊かれたことがありました。
    彼は「鳥取県の伯耆大山にあたるような近畿の山は?」という意味だったのでしょう。
    この問いに対して、畿内に住む人の何人が確かな答えをできるでしょう。

    比叡山や高野山は知っているでしょう。しかしそれらは高いからではなく、天台宗や真言宗の寺があるからです。
    奈良盆地にある大和三山の香具山、耳成山、畝傍山や、大和盆地を取り囲む三輪山や二上山は、誰もが知っていかもしれません。
    しかしそれらは他の地域に住んでいる人にしてみれば、単なる低い丘ににしか見えないほどの山です。
    それらの山が知られているのは、万葉の歴史や万葉集の和歌の世界の中で親しみをもっているからでしょう。

    近畿で一番高い山・・・「八経ヶ岳」・・・といってもおそらく近畿に住む人でも、それがどこにあるかさえ知る人は少ないでしょう。
    紀伊山中の大峰山脈にある近畿の最高峰ですが、平野から遠望できるわけでなく、広い裾野があるわけでもないので、畿内に住むほとんどの人はその姿を見たこともなければ、名前さえ知らない人が多いでしょう。
    富士山、白山、大山、穂高、御岳山、岩木山、阿蘇山、石鎚山・・・・そのような高く裾野の広い山は近畿にはありません。

    かつて万葉の時代に、大和盆地に住む人々のほとんどは、大和三山、二上山、三輪山などを眺めて一生を終えたでしょう。
    そして万葉人の山に対する美意識は、雄大な山や剣山ではなく、優美で穏やかな山の姿に向かったのでしょう。
    藤原宮から眺めた大和三山、山之辺の道からはるか西に霞む二上山、大神神社の背後の三輪山、それらは万葉人の洗練された美意識を生み出したのでしょう。
    初冬に向かうある日、そんな万葉人の好んだ山を訪ねて歩きました。
    (写真:二上山)
    コメント11件を表示する 2009/11/28 12:23

    原風景を歩く(O.C.)のイメージ

    原風景を歩く(O.C.)

    サークル
    パブリック
    誰でもフォロー可