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  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)


    ■仏隆寺の桜
     
     昨年奈良にお住まいのカチャーチャンさんに仏隆寺の桜をご紹介いただき、昨年の春遅く仏隆寺を訪ねました。

     榛原区高井の村から道を折れ、標識を頼りに、山間の細道を「仏隆寺」に向かいます。だんだん道は細くなり、たどり着いたところは、両側を山の斜面に挟まれた谷あいの土地です。

     そこから細く急な石段がのぼり、まもなく新緑がはじまろうとする今、遅咲きの桜の古木が石段を覆っています。
     昨日の雨がもたらした霧が背後の山を霞ませ、目の前の千年桜が薄紅色の雲となって山あいに浮かんでいます。ともすれば宙に浮かぶ桜の花雲ばかりに目を奪われがちですが、太く黒い幹は、斜面にしっかりと根を張って花を支えているのです。
     仏隆寺の桜のすばらしさは、薄紅色の花雲と宙に広げる枝ぶりと黒い幹の妙によるといえましょう。
     ソメイヨシノの寿命が50年といわれるのに比べ、千年桜と呼ばれるこの遅咲きの桜はヤマザクラとエドヒガンの雑種のモチズキザクラで、樹齢900年といわれています。
     
     桜の下の石段を登って、仏隆寺に向かおうとしましたが、千年桜を撮影しようとするカメラマンの群れについ遠慮して、遠回りの坂道を登ることにしました。
     ようやく石段の上にたどり着いて下を見下ろすと、すでに散りはじめた花びらが石段を淡く染めはじめています。
     仏隆寺境内から本堂に向かう小さな石段の上に、若葉の混じる白い花が咲いています。ヤマナシの花らしいのですが、私にはりんごや梨などとの区別がつきません。

     昨夜の雨露が、枝についたまま朝雲を閉じ込めて光っています。
     いま芽吹きはじめたばかりの楓の古木が淡い紅みを帯びはじめ、路傍の石碑を覆っています。高台から彼方を望むと、先ほど石段下から見上げていた千年桜が、ようやく広がりはじめた青空を背に霞んでいます。
     足元の斜面には、季節の主役を桜に取って代わろうとするツツジの紅色が広がりはじめています。遅かった今年の春も、ようやくつじつまあわせに取りかかったようです。

    万葉人も、こんな春の日に、薬草を摘みながらときおり空を見上げて、やわらかな陽射しを楽しんだことでしょう。 

     1.仏隆寺に向かう道
     2.樹齢900年の桜
     3.石段に降る花弁
     4.枝を伝う昨夜の水滴
     5.仏隆寺
    コメント8件を表示する 2011/04/04 10:28

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