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  •  製造業におけるサプライチェーンの脆弱さとネット関連ビジネスの耐久性、今回の大震災で目の当たりにした事実のひとつがこのことでした。

     こうした事実は株価の上に如実に表れています。日本経済がリーマン・ショックの痛手からようやく立ち直り始めたところに東日本大震災が発生したわけですが、大震災直後はあらゆる銘柄が売られました。震災のショックもありましたし、各種のポジションを閉じる必要に迫られた市場参加者がいっせいに換金売りしたはすですから、震災直後の株価が押しなべて下落したのは致し方ないところです。

     しかし、一斉に暴落した後の株価の戻りを見ますと、サプライチェーンにダメージを受けた製造業(典型は自動車とエレクトロニクスです)各社の株価推移とネット関連銘柄の株価の推移は大きく違っています。

     例えば、日本の製造業の代表企業であるトヨタの株価は、震災直後の暴落その後の自律反発を経て、直近ではまた下落傾向を示しています。一方、ネット関連企業のサイバーエージェントの株価は、震災直後の安値を4月初めには上回るほどの株価回復を見せています。

     自動車やエレクトロニクス産業は、部品 ⇒ 完成品組み立て、というプロセスにおいて数多くのメーカーが存在しており、それらの一部が生産に支障を生じるとなれば、産業全体が大きな悪影響を受けてしまいます。

     それに対してネット関連ビジネスは「生産拠点」を持っていないのが普通ですから、地震や津波という局地的な災害の影響を受けにくい、というわけです。もちろんネット関連事業でも例えばサーバなどのような実物資産を用いますから、そうした資産が自然災害の影響を受ける恐れはあるのですが、例えばクラウドコンピューティングとかデータセンターへのアウトソーシングなどをすることでリスクを軽減することがやり易いのです。

     大震災後、多くの投資家がこうした事情をこれまで以上に重視して、保有するポートフォリオの中で製造業株売り・ネット関連株買い、という入れ替えを行った節があります。投資家のそうした行動が製造業株下落・ネット関連株上昇を演出した、と見ることもできるでしょう。

     サイバーエージェントの株価は現時点で予想PER21倍、PBR5倍超となっています。過去に赤字で全体の業績の足を引っ張っていたブログ「アメーバ」事業の黒字化を達成するなど、成長性と収益性の向上が市場平均より高いPER、PBRという高評価をもたらしている理由でしょう。

     現時点の株価を新規買いとするのは躊躇するところで、新規買いという目で見るのであれば、数ヶ月スパンの株価変動を見据えて下落局面での買いを考えるべきですが、ネット関連企業は自然災害に対する耐久性が強いということは認識しておいてよさそうです。
    コメントする 2011/04/21 12:00

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