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  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)


    ■安岡寺の石段

     道草をしながらも、ようやく安岡寺山門前にたどりつきました。
     早春には、石畳や石段のそばに咲いていた水仙の花がすでに去り、春たけなわには薄紅色の桜が頭上に枝を広げ、これから初夏に向かう頃には紫陽花の蕾が膨らみはじめます。
    どこにでもありそうな町外れの小さな寺の石畳と石段の道ですが、ときおり墓参りに来る人や近所からお参りに来る人に出会うだけの、季節の花を楽しみながらの散歩にはもってこいの参道です。

     私が山門をくぐる頃には、孫たちはすでに石畳の参道を走り抜け、石段を上りはじめています。
    孫たちは、さっそくじゃんけんをしては石段を上ったり下ったりして戯れています。
     一番上までの上りつめると、今度は石段の手すりにまたがって、滑り降りてくるのです。はじめは手すりにかぶさるようにしておそるおそる滑っていたのが、今度は手を離して上向きになって滑り、さらに手すりの上に立ち上がったりして難しい技に挑戦しはじめます。

     そしてときおり手すりの上で留まって、目を空に向けたり、眼下の屋根を見下ろしたりしています。
    私が石段をやっと上りきった頃には、孫たちは何度石段を往復したことでしょう。石段と手すりがあれば、自分たちで遊びを創りはじめます。

     石段での遊びに飽きると、今度は石段横の竹林を覗き込んでいます。旬を過ぎて背よりも高くなったタケノコに興味が移ったようです。竹林に午後の光が差し込み、地表にまで届いています。タケノコの匂いが漂い、小鳥のさえずりが漏れ聞え、竹のこすれる高い音が響き渡ります。

    「タケノコって、一日でどれくらい伸びるの?」
    「小鳥は、竹にぶつからないでよく飛べるね」
    「あの音は、竹のこすれる音?それとも割れる音?」
     竹林の中には、新しい好奇心の宝庫が漂っているようです。

     ひとつの遊びに飽きると、次の遊びを創りだします。
    孫たちが手すりを滑ったり、竹林の中を覗き込んだりしている間、私は一息ついて石段に腰を掛け、丘の彼方を流れる雲を眺め、先ほどくぐってきた石段下の山門を眺めているだけです。
     
     写真
    (1)安岡寺山門をくぐって
    (2)はじめはおそるおそる・・・
    (3)遊びを創りはじめる
    (4)だんだん大胆に・・・
    (5)竹林には好奇心の宝庫が
    コメント2件を表示する 2011/05/05 10:45

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