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  • そこかしこに変調の兆し

     先週(あるいは先々週辺りから)もっとも注目すべき相場の変化は資源価格の下落であった、と私は思います。銀相場の乱高下、金価格の反落、原油価格の下落、などが起きたことですが、その背後には以下のふたつの要因があると考えられます。

    1.ひとつは「金融要因」です。昨年から続いて来たアメリカの「量的緩和=QE2」がいよいよ終盤を迎えています。予定通りであれば、来月末にQE2は終了します。市場への資金供給 ⇒ リスク資産の市場への資金流入、という形で典型的な「金融相場」が、資源、貴金属、株式の市場で起きていた、としますと、QE2の終了=相場上昇の原動力喪失⇒相場下落、となるはずです。

    2.もうひとつは、新興国特に中国の景気の状況です。新興国はいずれも資本流入によるインフレに陥っており引き締め政策を続けて来ています。その「引き締め効果」が徐々に現れていると見るべきなのでしょう。金融引き締め⇒景気の減速、となりますと、今度は、引き締め終了⇒景気刺激、となるのですが、すぐに方向転換できるわけではありません。少なくとも数ヶ月は「慣性」で景気は怪しい状態になると見るほうが現実的です。

     今のところは市場は一部の資金が「利食い売り」をしている、という局面でしょう。上昇相場はけっこうしぶといものですから、あっさりと下げに転じるということは案外ないものです。金融緩和にしましても、米国は景気を持続させるためにQE2後も金融を緩和気味に維持するはずだ、などという見方が出て来るでしょうから、今日から引き締め、といった具合にはなりません。

     株式市場を見ますと、現時点で世界各国の株価収益率は10倍台の前半です(日本株の株価収益率は16倍ほどで、世界の中で高い方です)。過熱とは程遠い状況ですから、金融要因と新興国の景気の影響を受けて株価の上昇力が衰え、反落に向かうとしましてもそれほど大きな下落(例えば、リーマン・ショック後の下落といった規模の下落)が起こる可能性は小さいと思われます。

     大きく下落するとすれば、おそらくはこの1年で大きく上昇した原油価格、とか金価格でしょう。銀相場の乱高下はある種の「前触れ」と見ておくのが妥当なことのように私には思われます。

     こうした想定が確実なものかどうかは分からないのですが、向う数ヶ月の株式運用を考える際には作業仮説として少なくとも考慮しておくべき想定であろうかと思います。

     資産配分の一環として海外に配分している資産に評価益がある、という場合、相場想定がどうであれ海外資産の比率を保つ方が資産運用としては妥当です。しかし、例えば内外の資産の期間上昇率に差が出たために、海外資産の比率が上昇した、ということに対応して一部の海外資産を現金化する(リバランス)というのも妥当な行動です。

     さらには、例えば原油価格の上昇に期待して原油ETFを買った、という場合にそろそろ利食い売りしようか、あるいは利食い売りした、ということがあればそれも妥当な行動です。
     
     日本株については、向う数ヶ月は、1)ポジションをあまり大きくしない、という前提で、2)個別銘柄の比較的短期のトレーディング戦術(買いも売りも両方ある)に集中するのが得策であろうと思います。
    コメントする 2011/05/15 01:58

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