スローネットは新サイトに移行いたしました。今すぐアクセス

  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)


    ■三島江のれんげ畑

     病院からの帰り道、久しぶりの晴れ間に、ちょっと道草してみようと、淀川に程近い三島江を訪れました。街から少し外れた三島江の里では、れんげ畑の薄紅色が、葉の緑を追い越して広がりはじめています。
     三島江の農家の人たちが、まちづくりの一環として、れんげ畑を守っておられるのです。
     青空から降り注ぐ五月の陽射しと小鳥のさえずりが、れんげ畑に穏やかな五月のぬくもりを貯めてゆきます。畦道にしゃがんで、れんげの花びらを透かして見ると、花びらの一枚一枚が、やわらかな光を受けて白から紅へと揺らぎ、小さくやさしい炎となっています。

     座り込んだまま、目をれんげ畑の彼方に移すと、黒い腰高な板と白い漆喰壁の蔵が並び、れんげ畑の紅色と漆喰壁の色の対比がなつかしく感じられます。
     この蔵の腰の高さは、すぐ近くを流れる淀川のせいのようです。今でこそ淀川の洪水時の氾濫はなくなりましたが、昔は大きな台風の度に淀川の水は氾濫し、このあたりの田畑や民家は浸水したのです。そのために大事なものをしまう蔵は、浸水しないようにと床を高くして作ったらしいのです。 そんな時代の面影が、三島江の風景を作っています。水害の心配のなくなった今、集落の民家は紅色のレンゲ畑に浮かぶ島となっています。
     「三島江」という地名は、淀川のそんな水辺を表す名前なのでしょう。

    ■「れんげ畑」は誰のもの

     農道を歩くと、先生に連れられた黄色い帽子の幼稚園児の集団に出会います。これからレンゲ畑に遊びに行くのでしょう。
     私と同世代の方は、れんげ畑には想い出があることでしょう。れんげは本来田の肥料として植えられたものでしたが、そこは近所に住む子どもたちの遊び場であり、近所の人たちのコミュニケーションの場であり、レクレーションの場でもありました。
     春が訪れ、ひばりの声が空から降る頃になると、弁当をもった近所の人たちが、レンゲ畑に集まり、ござを広げ、しゃべり、午後の陽射しを楽しんだものです。その頃、れんげ畑も原っぱも、持ち主個人のものということではなく、近所に住む人たちの共有スペースとしての意味も含まれていました。

     紅と緑の絨毯の上に寝そべっていると、草いきれと蜜蜂の羽音とやわらかな五月の陽射しに包まれて、心地よい眠りへと誘われてゆきます。

    (写真)
    1.三島江のれんげ畑
    2.三島江の民家とれんげ畑
    3.光の中のれんげ
    4.三島江の腰高の蔵群
    5.原の村のれんげ畑

    コメントする 2011/05/21 09:16

    原風景を歩く(O.C.)のイメージ

    原風景を歩く(O.C.)

    サークル
    パブリック
    誰でもフォロー可