スローネットは新サイトに移行いたしました。今すぐアクセス



  •  5月26日の銘柄研究で東芝(6502)を取り上げました。三菱重工も東芝同様以前は原発関連だったものですから、大震災・東電原発事故に当っては株価が大幅に売られました。しかし、その後はこれも東芝同様「ポスト原発銘柄」といった位置づけでけっこう強調が続いています。

     現時点の株価は388円、予想PER37倍、PBR1倍ほどとなっています。この数字を見て、東芝と大いに違うな、と感じることと思います。事実、東芝の予想PERは13倍ほど、PBRは2倍ほどとなっています。

     PERで見ますと、一見東芝の方が重工より割安、PBRでは重工の方が割安、という風に見えます。

     ただ、これにはかなりの部分からくりがあります。東芝は2009年3月期に3400億円もの純損失を計上しています。そのために、株主資本(一株当り純資産)が縮小し、ROEが見た目上昇するようになっているのです。

     一方、重工は東芝のように損失を計上せずに済んでいるために、ROEが低いままなのです。

     実際ROEを比べますと、東芝は18%、重工は3%ほどで、水準がまったく違います。

     PBR=ROE×PER、ですから、ROEの高い東芝のPBRは大きくなり、ROEの低い重工のPBRは小さくなっているわけです。

     ふつうに考えますと、PERが大きいのはその会社の将来の収益成長が期待されているため、と解釈するのですが、現時点の、重工のPER38倍、東芝のPER13倍、という数字を比べて、「重工の方が成長性を評価されている」などと解釈するのは間違いです。

     常識的に考えて、重工と東芝の将来の成長性はほとんど似たり寄ったりでしょう。現時点では重工の株価がPBR1倍というところまで売られてしまっているために、下方硬直となってPERが高止まりしていると見るのが妥当です。

     仮に、という話ですが、例えば重工が特別損失を出して収益性の低い事業部門を廃止するなり売却するなりしたとします。そうしますとおそらく、現時点で3%くらいしかない売上高営業利益率が高まるでしょう。それが5%くらいに高まったとしますと、おそらく重工の株価評価は今の東芝と似たようなものになると思われます。

     東芝は、2年前に大きな損失出すことで「事業再編」にある程度成功し、そのために買収などの積極的な戦略を打つことができるようになっています。

     今後どうなるか分かりませんが、三菱重工という会社も、どこかで事業再編を断行して成長戦略を構築する、という局面を迎えるのではないか、という気がします。そうなれば、もともと技術的に優れたものを持つ会社ですから、収益力が高まって株価が上昇する、ということになる可能性があるでしょう。

     注目に値する銘柄であることは確かなように思います。
    コメントする 2011/06/08 11:46

    株式あれやこれや 株の談話室のイメージ

    株式あれやこれや 株の談話室

    サークル
    オフィシャル
    誰でもフォロー可