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  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)


    ■「伊勢本街道諸木野関所跡」

    旧街道は、石割峠、栂坂峠、鞍取峠、桜峠と、幾重にも峠を越えていきますが、自動車道ができた今、もはや杣道として山中に消え入りそうです。ときおり森の中で、かつて民家があったらしい証拠の茶の木を見かけたり、辻や峠で道標や石畳に出会ったりしなければ、けもの道としか感じられません。
    集落のはずれで仕事をしている方に尋ねました。
    「この道は石割峠に通じていますか」
    「うん、行けるよ。途中でまっすぐ登らずに、右に折れて行けばね」
    その言葉に心強くなり、言われたように右に折れて進んでゆくと、「伊勢本街道諸木野関所跡」の石碑に出会います。確かに伊勢本街道に相違ありませんが、道はますます細くなり荒れてきます。かつては街道だったのでしょうが、今ではここから先は地元の人しか使っていない杣道となっているようです。未練を感じながらも、もはやこれまでとあきらめて、今来た道を高井の村まで引き返し、新道を行くことにしました。

    こうしていくつかの峠を越えてゆくと、街道は「御杖(みつえ)村」に入ります。「御杖(みつえ)」とは、かつて伊勢の「いつきの宮」のことを「御杖(みつえ)」と呼び、神の杖となって諸国を巡る意味が込められていたといいます。いわゆる伝説の姫、倭姫が天照大神の御杖として、伊勢神宮創建に至るまで、大和から諸国を旅して東に向かって彷徨した土地なのです。
    なだらかな牛峠を境に、「菅野」や「神末(こうずえ)」の集落がのびやかにたたずんでいます。「菅野」は、倭姫巡幸のおりに、「わが心すがすがしい」といわれたので地名になったとか、また「神末」は「神の杖」を意味していたという伝承もあります。菅野には四社神社があり、神末には御杖神社があります。どちらも天照大神の「常世の国」を求めて巡行した倭姫にかかわりのある神社であり、いわゆる「元伊勢」と呼ばれる神社です。

    四社神社には、湧き出る清水で禊(みそぎ)を行って天照大神を祀ったという「倭姫禊(みそぎ)の御井」があり、神社のそばには伊勢神宮の宮川にあたる菅野川が流れています。清い湧き水、清い川の流れ・・・神に近づくには手を洗い、口をすすぎ、滝や川で禊を行い、常に清浄な世界を求めました。清い水の旅は、伊勢に近づく道でもあるのです。
    いよいよ伊勢の国は近づいてきました。

    (写真)
    1.石標「伊勢本街道諸木野関所跡
    2.御杖村は間近か
    3.四社神社の禊の菅野川
    4.清らかな水
    5.御杖村の畦道で遊ぶ子供
    コメントする 2011/07/13 06:46

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