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  • モデレータの目(2011/8/21)

     先週の株式相場は、月曜日火曜日と多少の戻りを見せ、火曜日には日経平均がざら場で9150円にまで回復したのですが、その後は海外株安と円高を受けて売られ、週末には日経平均8700円すれすれというところにまで下落しました。

     円高・株安の要因は、「米国景気の先行き懸念」と「欧州の財政(金融機関)問題」に絞られた感があります。日本経済と金融についてはさし当っての問題は意識されていないようです。(政権ひとつとっても実は問題山積ですが。)

     問題は常に多数あるわけですが、日本の株式相場から見て当面の大きな問題が「海外からの影響」、具体的には「米国景気の先行き懸念」と「欧州の財政(金融機関)問題」、「加えて円高」であるとしますと、かなりの部分状況は去年と同じです。株安+円高、という構造も同じです。投機的と思われる資金シフトによって相場がリードされているように見える点もよく似ています。

     株価の推移を日経平均で見ますと去年は、4月5日の高値11408円⇒9月1日安値8796円という推移で、その間の値下がり幅は2612円、今年は高値が2月17日の10891円⇒現在が8700円ほど、ということでこの間の値下がり幅はおよそ2200円ほど。3月に大震災があって「初夏の株高」が殺がれてしまったと考えますと、ほぼ昨年と似たり寄ったりの展開でしょう。

     円ドルレートを見ますと、去年は4月5日94円⇒11月1日80円、14円の円高ドル安、今年は4月6日85円⇒現在は76円ほど、10円ほどの円高ドル安、となっています。

     こうした流れが「本格的に」変わるには、「米国がドル安政策の限界を認めて政策を変える(つまりは米国民の生活水準の引き下げを受け入れる)こと」と「欧州が破たん国家(加えて銀行)の処理を本格的に始めること」が必要ですから、これは大ごとでそんなに簡単に実現することではないでしょう。

     去年の場合は、「米国のQE2(量的緩和政策)」と「欧州の財政悪化国家への支援(による見かけ上の安全宣言)」が秋以降の株価回復(プラス日本円の相場安定)に結びついたと見ることができます。(当然抜本的な解決策にはなっていません。)

     今年はどうなりそうか、と考えますと、昨年8月下旬にFRB議長がQE2実施を公表した、今年も今週26日の議長の講演で今度は「QE3」についての発言があるかもしれませんし、欧州は新たな彌縫策を打ち出して来るかもしれません。そうなれば、株式相場と為替相場の展開は去年と同じようなものになる可能性が強いでしょう。

     しかし、QE2による副作用(資源価格上昇、新興国のインフレなど)に対する反対も強く、アメリカは同じ事ができないかもしれません。欧州も彌縫策は限界かもしれません。(独仏が協力しなければならないわけですが、思惑の違いでなかなか協調できないようです。一方、日本はけっこうフリーバンドを持っていて、金融緩和を実施することは可能ではないかという気はします。実際今週のどこかで日銀がそうした行動をとるかもしれません。)

     有効な手を打てない、となれば、投機筋の期待通りに、「円は75円を大幅に上回る円高=相場のオーバーシュート」、「世界中の株価は暴落=同じくオーバーシュート」ということが起きるかもしれません。(リーマン・ショックのように、「それ以前にあったバブルが崩壊」というのではなく、「そこそこの平時からの深刻な悪化」が起きるかもしれない、ということです。)

     そういうカタストロフィーは絶対ないとは言えませんし、おそらく週刊誌やタブロイド新聞は(すでにそのように書いていますが)これから大キャンペーンを張って週刊誌・新聞を売ろうとするでしょう。

     以前から時々書いていることですが、実のところわが国は世界経済において先頭を走っている、という面があります。つまりは20年にも亘って低成長・デフレ・国民の生活水準の実質的切り下げに成功、という『実績』があるのです。その意味では大変な先進国、です。(皮肉でも嫌味でもありません、為念。)

     アメリカは国民の生活水準を切り下げることを目指すべきだ、また、欧州はかつて日本がやったような金融機関の不良債権処理(ギリシャなどの国家財政破たんに起因する不良債権処理)に立ち向かうべきだ、というのが市場からの「メッセージ」なのだろうと思います。

     日本の場合、こうした市場のメッセージを「聞きすぎて」、本来求められていないほどの生活水準の切り下げを達成し、デフレを深刻化させているわけですが、案外これからはそろそろと世界経済軟着陸に向けて日本が貢献するようになるのかもしれません。(具体的には日銀の金融緩和⇒日本国内の貸出増加、などを通じて。)

     緊迫する場面
    コメントする 2011/08/21 03:36

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