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  • モデレータの目(2011/10/10)

     フランス・ベルギー系の大手金融グループデクシアの「実質破綻」により、いよいよ欧州金融危機の動きが急加速しような情勢です。

     株式投資の視点からすれば、欧州金融危機が株式市場にどんな影響を及ぼすか(どれくらいの下落要因となるか)?、その期間は?、とりわけ日本株への影響は?といったところが関心事となるわけですが、実際のところなかなか想定しづらいというのが本当のところです。

     煽りを目的とする、というのであれば、大変なことになる、リーマン・ショック後以上の混乱と世界大不況が来る、円は1ドル60円になる、日経平均は5000円いになる、といったことを書けば良いのでしょうが、それでは資産運用の参考にはなりません。

     すでに何度か書いていることですが、リーマン・ショックというのは「住宅バブル崩壊によるアメリカの民間銀行(投資銀行+商業銀行)破綻がもたらした危機」でした。今回の欧州金乳危機は「欧州の一部の国の放漫財政がもたらすであろう危機」です。

     ギリシャを始めとして「国家が破綻する」のだから、民間企業が破綻するよりはるかに影響は大きいだろう?となるのかもしれませんが、実際のところ破綻すれば消えてなくなってしまう(つまり債務者がいなくなってしまう)民間企業の破綻と違って、国家は破綻してもきちんと生き残ります。債務者がいなくなってしまうわけではありませんので、見ようによっては国家の破綻は民間企業の破綻よりも「軽い」とも言えるのです。

     ただ、国家の破綻⇒民間銀行の破綻、となれば話は別ですし、国家の破綻⇒世界経済の混乱、となる恐れもありますので、影響について十分に想定しておくことは必要です。

     今回のデクシアの破たん処理に関連して、独仏の首脳が今月末までに対応策の強化を決める、などという暢気なコメントを出していましたが、国の行動はいつもそんなもので、それが上記の民間銀行の連鎖破綻、世界経済の混乱に結びつく恐れは排除できません。欧州の首脳たちは、まだ時間稼ぎをするということを基本にしているようです。市場から見ますと実に危険なことです。

     中央銀行などが市場に資金を十分に供給し、銀行には資本を注入して信用を守り、できればギリシャはユーロ圏から切り離す、といったことが多分必要なのでしょう。政治的にそうしたことができるかどうか?は予想できない、としか良いようがありません。

     市場の混乱収拾までに半年以上かかるのだろう、といった感じはします。銀行の破綻もデクシアだけで済む話ではないでしょう。

     株価は世界的に下落圧力が働くと見るしかありません。しかし、リーマン・ショック前にに比べて世界的に株価がすでに低水準にある、という点は注目しておくべきでしょう。例えば、トヨタの株価は、リーマン・ショック前には8000円でした。8000円の株価であったから、ショックを受けて3分の1以下に下落した、ということは重要なことです。今、トヨタの株価は2500円です。これが欧州金融危機というショックで3分の1以下になるとは、なかなか考えられないことです。(もちろん個別企業の事情がありますから、トヨタはそうなるかもしれません。しかし、多くの企業で株価がここから3分の1になる、とは思えません。)

     これから数週間くらいは、①どこかで「ショック安局面」があるかも知れない、②多分、それは「買い場」になる、③まだしばらくはトレーディング好適局面が続くだろう、といったことを頭に入れておくのがよさそうです。

     欧州の混乱は実に気の毒なことですが、基本的に日本は高みの見物の位置にいる、ということも、実のところ認識しておくべきことのひとつです。欧州は欧州、ということで、日本では震災からの復興で景気が刺激される、円高を活用してさまざまなダイナミックな動きを企業がする、財政健全化の動きが本格化する(つまり公務員改革などが実施されるといったこと)、規制の緩和が進む、といったことが起きるのであれば、日本株が市場平均でPBRが1倍割れなどという状態から脱することは可能だ、ということは知っておくべきではあります。
    コメント2件を表示する 2011/10/10 01:42

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