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  • モデレータの目(2011/11/6)

     EU諸国の一部の国の財政悪化⇒銀行の不良債権処理⇒銀行システム不安⇒金融危機、というシナリオは、1980年代のアメリカからずっと続いている流れの上にある出来事です。近年で言えば米国のサブプライム・ショック⇒リーマンショック⇒民間金融機関の膨張した信用の政府・中央銀行による肩代わり⇒一部の国の財政悪化(国家債務の膨張)があり、今は南欧諸国の財政悪化への対処に欧州諸国が苦しんでいる、という図式です。

     市場にはこうした混乱から利益を得ようとする勢力が多くいますから、欧州金融危機⇒ユーロの破たんとなれば手を打って喜ぶ人たちも(非常に多くはないにしましても)いる、ということになります。

     先週末のG20を終えて欧州の情勢が好転したのかどうか?何とも分からない状況です。ギリシャだけを見れば、例えデフォルトになったにしてもそれほど大きな規模になるわけではありません。10年前にはアルゼンチンが国家破たんしましたが、世界経済にそれほどの悪影響を及ぼしたわけではありません。ギリシャも規模からすればその程度でしょう。

     しかしギリシャの場合、通貨ユーロを使う「ユーロ圏」に属しているという点が大問題になってしまっています。通貨ユーロを通じて悪影響が他のユーロ圏の国々に波及する構造になってしまっていますから始末が悪いとしか言いようがありません。

     現実に先週末にはイタリア国債の利回りが急上昇しており、ギリシャの次はイタリアという連想が強く働いてしまっています。

     ギリシャの国内事情も厄介なようで、国民投票でユーロ圏に残るかどうかを問い、残留の票決をもって痛みを伴う緊縮措置を講じるという首相の思惑が崩れたのは仕方ないとして、連立内閣で事を進めるというのもうまく行くのかどうか分からないという状態になっています。

     結局破局間違いなしとはならなかったものの、不確実性は少しも減っていない、というのが現状でしょう。
     
     ただ、いくつかの進展はあったようで、ECBによる利下げ、イタリアがIMFのモニタリングを受け入れる、といった点は少なくとも投機筋が勢いづくのを阻止する効果はあるように思います。

     それから、欧州危機という材料については株式相場にかなり織り込まれたという事情も認識しておいて良いようにも思えます。

     もうひとつ、先週は月初恒例のアメリカの雇用統計の発表があり、失業率はほんの少し改善したものの雇用者数の増加は期待以下でアメリカ株が売られたという状況でした。米雇用については、先月分は悪かったのですがそれ以前の月の分について上方修正されたということもあって、決定的な悪材料になるかどうか分かりません。事実、寄り付きから売られた米株は金曜日の引けにかけては戻すという推移でした。

     様々な不透明要素を抱えて始まる今週の日本株相場ですが、そこそこ底堅い展開から上値を窺うということになるのではないかと想定しています。企業業績の発表は峠を越し、予想通り悪いようだという結論がすでに出ていますし、上記のように欧州情勢はすでにかなり織り込んでしまった、ということで売り方が勢いづくようなことにはなるまいと思われるからです。

     とはいえ、どこかで悪材料(特に海外発の悪材料)が出て売られるといった恐れも十分にあります。(オリンパスの問題もありますし。)11月に買って(次の年の)5月に売る、という方針が有効である可能性が強いだろうな、と思いつつも買いポジションの拡大については少し慎重を期す、といったところでしょうか。海外要因で相場が影響される度合いが依然強いという認識からしますと、企業業績の発表シーズンをほぼ終えて中小型株の分野に注目が徐々に集まるといった展開も想定しておいて良いのかもしれません。
    コメント4件を表示する 2011/11/06 01:34

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