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  • モデレータの目(2011/11/20)

     欧州の金融不安は一向に解消に向かう気配を見せず、むしろ深刻化しています。ギリシャの実質破たん処理はともかくとしまして、国債利回りの急騰がイタリア、スペイン、さらにはフランスに及ぶとなりますと、かなりの危険ゾーン入りです。

     先週も、わが国の代表的な海外債券投資ファンドである「グローバルソブリン・オープン」が保有していたイタリア国債をすべて売却したという新聞記事が載りました。

     個別具体的に見れば、国債の利回り上昇は「誰かが保有していた国債を売っている」ということから起きます。一方で、「買い手は高い利回りでなければ(リスクがあるのだから)買わない」という状態になっていることを示しています。

     要するにリスクの引き受け手が少なくなっているためにことは起きている、ということです。

     「資金の引き揚げ」といった表現が使われるわけですが、リーマン・ショック後にも起きたことですし、アジア通貨危機の時にも起きました。新興国では資金の過剰な流入と不都合な流出が繰り返されています。もっと言えば、日本株の市場でもこうした資金の引き揚げが続いていて、それで不振からなかなか脱することができないのだ、とも言えます。

     イタリアやスペインがデフォルトに追い込まれるなどということを看過するわけには行かないでしょうから、どこかで「リスクの引き受け手」が現れなければなりません。現時点でEUのリーダーたちは欧州金融安定化基金(EFSF)が債券を発行して資金を調達し、その資金で各国の国債を買い取る、というシナリオを画いているわけですが、EFSFの「信用」に疑問符が付いているような状況ですから、なかなか市場は信用しないようです。

     結局のところ、欧州の中央銀行であるECBがユーロ建て国債を買い取るという操作をせざるを得ないことになるだろうと思われるのですが、中央銀行の役割は国の財政のファイナンス(資金調達)ではありませんから、ECB(の背後にいるドイツ)はなかなか踏み切れないのでしょう。国の財政のファイナンスを中央銀行がやってしまえば、つまり国債の発行に応じて安易に通貨を刷って供給すれば、やがては悪性のインフレを招く恐れがあるのですから当然ではあります。

     しかしながら、現状はおそらく「そんなことは言っていられない」という状況にどんどん近づいているのでしょう。今週以降も緊迫した情勢が続く、と見ておくべきでしょう。

     日本経済と株式市場から見ますと、遠い異国である欧州諸国のごたごたがこんなにも影響しているかに見えるのは何とも残念だ、となるのですが、現実はその通りですからいたし方ありません。相場の推移からすれば、9月にも10月にも日経平均が年初来安値あるいはその近辺に沈んだことはあったわけですから、依然として安値からの脱出ができないでいる株式相場、というだけのことなのかもしれません。

     以前から書いていますように、この時期にこれだけ相場が低迷しているわけですから、例の11月に買って(翌年の)5月に売る、という数ヶ月スパンのトレーディング指針を現時点でとりあえずの方針として、ただし、(何が起きるか分かりませんから)くれぐれも買いポジションには余裕を持たせておいて、といった対処で良いのではないか、という気はします。

     それにしましても、世界的に資本の多くが一部の人たちの手に握られて動きが早くなる、と同時に投機的になる、という状況になっている以上、あらゆる人がそうした動きに対応する必要がある、ということなのでしょう。
    コメントする 2011/11/20 11:34

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