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  • モデレータの目(2011/12/17)

     先週も書いたのですが、と言うよりずっと以前から毎回のように書いていてうんざりの感のある話題なのですが、欧州金融危機への懸念は一向に消えません。

     例えて言えば欧州の金融危機は「火事」のようなものでしょう。火事があちこちで起きているのに対して、ドイツは「建物の耐火基準が緩いのが問題だから耐火基準を強化すべきだ」と主張しているようなものでしょうね。耐火基準に問題がある(あった)ことは確かでしょうから、その意味ではドイツは正しいことを主張し、正しい行動を取ろうとしています。

     しかし喫緊の課題は「今起きている火事をどう鎮めるかだ」という「建物(南欧諸国)」もあります。火災が発生している建物の耐火基準を論じても意味はありません。とにかく消火しなければならない、というだけです。耐火基準などは消火の後の話です。

     欧州の出来事を見ていて、2000年代初めの日本の銀行の不良債権処理のことを思い出しました。いくつかの銀行はすでに破たん処理されていたのですが、メガバンクを含めて「資本不足」の問題が深刻で、金融機関(及び金融システム)への信頼が揺らいだままでした。デジャブ(既視体験)のようにその時期を思い出しました。

     日本では、メガバンクの大型増資、りそなへの公的資金の注入などでようやく金融システムの安定を取り戻しました。(その後のリーマン・ショックでまたいくらか揺らぎはしましたが。)

     しかし、それに至る過程ではなかなか事態が進展しない、という時期がずっと続いたものでした。「小さすぎて手遅れ(Too little、 too late)」とよく言われたものでした。十分な対策が打たれるまでにはずいぶんと時間が掛かったものです。

     今欧州の銀行は資金調達にかなり苦しむ状況にあるようですが、あの頃の日本と同じで、なかなか解決に向けての対策は打たれないのでしょうね。

     欧州は大問題なのですが、日本の株主からすれば、欧州はともかくとして、遠いよその国々のドタバタの影響をどうしてこんなにも受けてしまうのだ、ということでイライラが募るばかりです。

     今年もあと2週間ほどです。年間の相場振り返りをする時期に差し掛かっているわけですが、昨日の金曜日までの時点で、今年の日経平均は実に20%近い下げです。ジャスダック平均が7%ほど、マザーズ指数は9%ほどの下落です。

     3月の大震災、円高、秋のタイ洪水、とマイナス材料が続出した日本経済と日本企業にとっては大変な年だったことは確かですが、それにしては悪影響を受ける度合いが小さかった、とはけして言えない状況だったでしょう。もっとうまく行ってもおかしくない日本経済、日本企業、日本株の状況が極めて悪いというのはある意味不思議な気がします。

     株式という資本資産の価格が熔け落ちて行く、とでも表現すべき状況がなぜ起きてしまうのか、日本経済の活力が失せてしまったかのようにどうして見えるのか?

     新規公開株式銘柄の数が回復しつつある、とか、株価は不振でもそれなりに下げ止まり感は出つつある、といった明るい面はあるのですが、株式市場に活気が戻りそうに見えないのは残念な話です。

     直接的には株式需給の改善、根本的には企業の資本効率の向上、があればいずれ株式相場は回復するわけですが、今のところその目処は立たない、というのが2011年末の日本株市場です。(日経平均が9000円とか1万円に『循環的に』回復することはあるにせよ、ある程度持続的に上昇して行くのは今のままでは難しい、という意味です。)
    コメントする 2011/12/17 02:44

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