スローネットは新サイトに移行いたしました。今すぐアクセス



  • (附2011年12月相場を振り返る)
    モデレータの目(2011/12/31)

    <アメリカはプラスながら>
     各指数の年間騰落は次のようになっています。

    日経平均   10229円 ⇒ 8455円 -17%
    ジャスダック 1255円 ⇒ 1180円 -6%
    NYダウ   11577ドル ⇒ 12217ドル +6%
    ナスダック  2652ポイント ⇒ 2605ポイント -0.6%
    円ドル    81.51円 ⇒ 76.94円 6%円高

     先進国、新興国を問わず、今年は総じて株価は下落した、という年でした。リーマン・ショック後の財政支出増、金融緩和で世界経済は多少回復したものの、金利低下と財政悪化のツケは大きく、欧州においては金融不安を惹起し、資源価格は高騰し、よって世界景気は悪化、株価も伸び悩むか下落した、という姿だったのでしょう。

     アメリカ株(NYダウ)が若干ながら上昇したのはさすがに(基軸通貨国)アメリカ、です。欧州通貨危機も世界的な資金の米国への流入という点ではプラスだったのかもしれません。年末の商戦では個人消費に回復の傾向が見られたようで、アメリカ経済は何番底などという議論をしないで済むようになって来つつあるのかもしれません。これで住宅価格が安定して来れば、アメリカ経済はそこそこに堅調となることができるでしょう。

    <バブル崩壊後の最安値(年末日経平均)>
     日本株は大きな下落に見舞われ、年末の相場で見れば、1990年からのバブル崩壊語後の最安値、という惨状でした。バブル崩壊の始まりからすでに22年も経過しているのに、未だに最安値だの最安値圏だのということが起きるのは何とも残念な話です。

     日経平均とジャスダック平均の年間下落率が大きく違っていることからも分かりますように、日本株相場においては(ずっと以前から続いていることですが)需給の要因が大きな影響を持っているのでしょう。

     日本の金融法人の株式保有、法人間の持合などの「日本的な株主構造」が破壊された結果起きたのが、需給から見た株価バブル崩壊ですが、崩壊の過程で大幅に買い越した外国人が今度は日本株を売る、ということで二次的なバブル崩壊的株式需給になってしまった、というのが需給から見た今年の日本株相場だったのでしょう。

     ジャスダック銘柄は相対的に外国人の保有割合が小さいので、需給悪化による相場下落の度合いが小さいもので済んだと見ることができるでしょう。

    <悪材料の連鎖>
     もちろん、今年の日本株はまさに悪材料噴出だったことも原因です。3月の東日本大震災、東電の原発事故、夏の台風被害、秋のタイの洪水被害、円高、欧州金融危機、と株価には逆風が強く吹いた一年でした。

     秋には、オリンパス、大王製紙などで企業統治に疑問を抱かせるような事件が起きています。企業統治の欠陥は株主利益をもたらすはずの企業経営者に対する不信に直結しますから、株式相場には大きなマイナスになってしまうのは当然です。

    <とはいえ・・>
     今年の悪材料はほとんどなくなっていません。来年にはさらに大きな悪材料となって相場に襲い掛かる恐れもあるでしょう。来年は良い相場になるだろう、とはなかなか言えないのが現実でしょう。

     とはいえ、二年連続の年間マイナスの後のサイクル感、とか、海外勢の売りもどこかで峠を越えるだろう、とか、とにかく日本株は割安ではないか、といったことからしますと、それほど弱気でいる必要も無くなっているように思えます。

     日銀のいっそうの金融緩和、企業の買収・合併などによる体質強化の動きの活発化、新規上場の増加、などが徐々に日本株相場を活気づかせて行くというシナリオもないことはないのでは、と思ったりします。

    <2011年12月相場を振り返る>
     12月の各株価指数等の騰落は次のとおりでした。

    日経平均   8434円 ⇒ 8455円 +0.2%
    ジャスダック 1152円 ⇒ 1180円 +2.4%
    NYダウ   12045ドル ⇒ 12217ドル +1.4%
    ナスダック  2620ポイント ⇒ 2605ポイント -0.6%
    円ドル    77.47円 ⇒ 76.94円 0.7%円高

     いずれも小動きながら、多少は回復傾向が見て取れる、と言えなくもないように見えます。ジャスダック平均がしっかりしているように見えるのも多少は心強い感じがします。

     数ヶ月スパンのトレーディング戦術として「11月に買って翌年の5月に売る」ということにして来ているわけですから、12月も続落ということになりますとちょっとまずかった訳ですが、そうならなくて良かったというところでしょうか。

     とはいえ、特に大きく上がっている訳ではなく、来月あたりにまた欧州で危機モードが高まれば株価に下押し圧力が掛かるかもしれません。

     年末の為替相場では円高傾向がまた出てきており、対ユーロではついに1ユーロ100円を割り込んでしまっています。米ドルは対ユーロ、対新興国通貨では高くなっており、その米ドルに対しても日本円は強い訳ですから、日本の輸出にとっては逆風も良い所となってしまっています。この傾向はそう簡単には変わりそうもありません。

     来年の日本経済は復興需要の本格化で拡大する可能性が強いのでそんなに弱気になる必要はないのでしょうが、為替の円高はけっこう障害になるでしょうね。

     目先景気の状況が思わしくないところもありますので、来年初に日銀の金融緩和の強化などが行われて、それが株価に好影響となるような展開にならないものか、などと思ったりもします。

     日本株の需給は海外勢の売りでかなり悪いままになってしまっています。どこまで売れば売りが鎮静するのか分かりませんが、中小型株市場、新興市場の諸銘柄にどん底から這い上がるような動きを見せるものが増えていることからしますと、海外勢の保有割合がとくに多いという銘柄でなければ、需給悪の状況から抜け出しつつあるものも多いのかもしれないと思わせるところです。

    <12月の出来事>
     欧州危機⇒新興国から欧州資金引き揚げ⇒新興国経済悪化⇒新興国金融緩和、という動きがブラジルや中国でかなりはっきりして来ているようです。一方で中国では不動産バブル崩壊の懸念も強くなっていると伝えられています。欧州情勢もかなりリスキーですし、注意深く推移を見る必要がある局面からなかなか抜け出せないようです。

     欧州諸国の格下げをアメリカの格付会社が熱心にしているように見えるのは、何やら米欧の武器によらない戦争のような感じもします。覇権国家米国としては、欧州の台頭、通貨ユーロの基軸通貨化は、歓迎すべきものではない、となることも多いのでしょう。

     欧州危機に対しては、今のところ、ドイツ流の「財政規律強化」+「欧州中央銀行の資金供給」でOK、というのがリーダーたちの考えのようです。欧州中銀が資金を貸し出して銀行の資金調達を助けても、彼らが保有しているイタリア国債やスペイン国債のリスクは変わりませんので、状況が好転する度合いは小さいのかもしれません。いずれは、欧州中銀が国債を大量に買うというところに追い込まれるのか、あるいはドイツ流でしのぐのか?まだまだ事態は流動的です。

     オリンパスは捜査当局が本格的に動き出して、今後はどの程度の大きさの事件になるのか(どれくらいの人数の逮捕者が出るか、といったこと)に注目が集まるのでしょう。

     増税路線は着々と進行しつつあります。とはいえ、国の借金体質もそれをはるかに上回るペースで悪化しています。「市場の暴力的反乱」を受けることなく、借金体質から抜け出せるかどうか?正念場が続きますね。

     円高もあって、日本企業による海外M&Aは高水準だったと報じられています。こうした傾向は国内の雇用を減らしてしまう、という意味で必ずしも日本経済にプラスばかりではないのですが、日本企業のダイナミズムの表れでもあるでしょうから、肯定的な側面も大きいと思われます。

    12月1日 ブラジルが0.5%利下げ、3会合連続で
    12月2日 日本国債危機迫ると米ファンド顧客に手紙 ⇒ 温度差はあるものの日本国債が問題含みであることは確か
    12月3日 NYダウ週間で787ドル上昇、3年ぶりの上げ幅 ⇒ アメリカは経済の立ち直りが本物のよう
    12月4日 EU財政規律と統合詰め ⇒ ドイツ流が通じるかどうか?ドイツは自信
    12月5日 ロシア、プーチン与党議席大幅減
    12月6日 オリンパス第三者委員会報告書発表
    12月8日 新興国マネー流出警戒 欧州勢の資金引き揚げ顕著
    12月9日 欧州銀行12兆円資本不足
    12月12日 COP17閉幕、米中含め20年に新枠組発効
    12月13日 ユーロ下落102円台半ば
    12月14日 上場企業、半数超が増益
    12月15日 イタリア国債再び7.1%
    12月16日 福島原発事故収束宣言、ムーディーズ、ベルギー国債を格下げ
    12月18日 米ネット企業IPO復調
    12月19日 金正日死去⇒韓国株急落、日本株も下落
    12月21日 オリンパスに家宅捜索 ECB、銀行に総額50兆円3年タームの資金供給
    12月22日 東電、企業向け電力来年4月値上げ方針
    12月23日 米独でマイナス金利、安全資産に資金逃避
    12月24日 国債依存度49%過去最悪
    12月26日 金融円滑化法案1年延長へ
    12月27日 銀行等保有株式買取機構、買取を5年延長へ
    12月28日 消費税、13年8%、15年10%の方向か?
    12月30日 大納会、引けにかけてわずかに上昇、日経平均引け8455円
    12月31日 所得税最高税率引き上げへ ⇒ 増税路線本格化 日本企業の海外M&A大幅増、年間60兆円規模
    コメントする 2011/12/31 11:33

    株式あれやこれや 株の談話室のイメージ

    株式あれやこれや 株の談話室

    サークル
    オフィシャル
    誰でもフォロー可