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  • モデレータの目(2012/2/19)

     先週は日経平均が一週間で4.9%の上昇でした。幅にして437円、月に直せば2000円規模の上昇幅になりますからけっこう大きな上昇です。

     外国為替も対ドル、対ユーロともに円は下落しており、これまでの株価低迷の一因が為替市場の円高だったことをよく示しています。

     買いの主役はやや外国人が目立つ、銘柄で見れば国際優良株や金融株の上昇が多少際立つ、といった面はありましたが、特に外国人主導で相場急騰といった感じではありませんでした。むしろ、これまでのような売りが相場の頭を押さえるといった展開が少し変わって来て、需給が多少よくなった、という印象です。

     日経平均、トピックスなどの上昇に隠れてはいるのですが、東証二部指数が先週金曜日まで23日間も連騰していることも目を引きました。かれこれ一ヶ月間ずっと上がり続けている勘定で、相場上昇の初期によくこうした連騰局面があるのですが、東証二部については外国人の保有も少ないために需給が偏っていないこと、デリバティブの影響も少ない、さらにはもともと地味な存在で株価水準が低かった(PERが低かった)といった諸条件が重なって、少しずつ流入する買いに応じて連騰を続けている、というところなのでしょう。

     要するに株式市場で売りが多少引っ込んで買いが勝るようになった、ということなのですが、企業業績は昨年の大震災、円高などを原因として今期は大幅な減益予想であり、市場平均予想PERも20倍を超えるようになってしまっています。株価が割安なために買われたという面は東証一部銘柄、日経平均採用銘柄ではあまりないようです。

     相場急伸の最大の要因はやはり日銀の政策(変更)にあったものと思われます。日銀による追加緩和(国債買い入れ枠を55兆円から65兆円に増やす)、インフレターゲットの導入(2%以下、1%を当面のターゲットとする、ということ、しかし、日銀によれば物価上昇の『目処』であって、インフレーションターゲットではない、となるのですが)が市場の『センチメント(雰囲気、見通し)』を大きく変えた結果、と見ることができるでしょう。

     先週書いたのですが、株価は結局企業の将来稼ぐ利益をひっくるめて現在の価値に引きなおしたもの、と言えます。(それが株価のフェアヴァリュー、という意味です。)将来企業が稼ぐ利益は、今のところ不明で、不確実です。しかし、将来もデフレであれば、企業収益の伸びは大したものにはならず、将来がインフレなら企業収益の伸びは大きくなるだろう、とは言えます。

     日銀のインフレターゲット導入政策の発表は、大袈裟に言えば企業の将来収益(の見とおし)を劇的に増加させた、となります。となれば、将来の株価上昇を今実現するという形の相場上昇が起きるのは必然です。

     日銀がなぜ豹変したのか?よく分かりません。そもそも日銀は政策を変えた、という言い方はしていませんし、これからもするとは思えません。しかし、政策を大きく変えたことは確かです。

     政府からの圧力に屈したという見方もできるのでしょうが、おそらくは、他国が金融緩和をしている中で日銀だけが緩和姿勢を見せなければ、今後デフレ圧力がいっそう強まって日本経済にはまずいことになるかもしれない、という見方をしたのでしょう。本当のところは、FRBのようにもっとうまく政策をアピールすることができれば良かったのですが、抑制された表現ながら、日銀は黙って異常な通貨高とデフレを受け入れるわけではない、と市場に明確なメッセージを伝えることに成功したのは良かった、となると思います。

     ここから数週間、数ヶ月で日本株がどこまで上昇するか分かりませんが、うまくすれば初夏には日経平均1万500円〜1万1千円を見ることができるかもしれません。そうなれば、(毎度書いていることですが)「11月に買って、5月に売る」という数ヶ月スパンのトレーディング戦略は今回奏功した、ということになるでしょう。
    コメントする 2012/02/19 04:00

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