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  • サークル名:原風景を歩く(O.C.)



    ■樹との出会い

    旅の途中でさまざまな樹に出会うことがあります。ときにはその樹を目的に訪れることもありますが、そのほとんどは偶然の出会いです。ときには鎮守の杜で、ときには街道筋で、ときには川の堤防で、そしてときには思いもよらない山旅の尾根や峠道で。
    そんな樹との出会いは、土地の人との出会いに似ています。道端で偶然に出会った古老の話は、その土地の歴史や文化や生活の中から滲み出たものであるように、空を覆うように枝を広げた古木の下に立つと、古木は太くしかし小さな声で昔話を聞かせてくれます。古木の語りは、あたかも古老の語りといえるでしょう。年を経た古木の姿には、人を納得させるだけの風格があり、その話は歴史の語り部といえるでしょう。
    古木の寿命は人間の寿命とは比べものになりません。鎮守の杜に立つ神木は、樹に降り立った神々の話を聞かせてくれます。街道に立つ古木は、樹の下を往来する人々の千年の歴史を話してくれます。民家の庭に立つ古木は、その家の先祖代々の衰勢や生きざまの歴史をを聞かせてくれます。

    芽吹きのころには、欅の古木は匂い立つような姿で旅する人を遠くから魅了し、旅人はその姿に惹かれて近づき、広げた枝を見上げるのです。強い陽射しのころには、楠の古木は太い幹の周りにひんやりとした陰を作って、旅する人にひとときのやすらぎを与えてくれます。
    落ち葉の季節には、銀杏の古木は境内をを金色に染め、旅する人を金色の舞台の真ん中に立たせてくれます。
    樹との出会いは、旅の記憶をいつまでも思い出深く、鮮明に残してくれるのです。

    コメント6件を表示する 2012/02/19 10:10

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    原風景を歩く(O.C.)

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