スローネットは新サイトに移行いたしました。今すぐアクセス


  •  日本創新党党首の山田宏氏(前杉並区長)は著書の中で「市場」についてこんな風に書いています。コメント、リマークの類は後程として、まずは山田氏の論を引用します。
    --------------------------

    「自由意志」を貫くために、とりわけ、「私有財産」は大きな意味をもちます。自分の自由を支えてくれる個人資産を、すべての人が蓄積できる社会であることが大切なのです。

     「自由な社会であるためには、「選べる自由(競争)」も重要です。

     複雑化した現代社会では、社会の善し悪しの判断は公正な市場が行うしかありません。「選べる自由」があるからこそ、それに応えるべく「よいものをつくろう」という競争が生まれ、その結果、商品やサービスの質が上がり、社会全体が豊かになり、イノベーションも活発になり、それぞれに私有財産が蓄積されていきます。

     お客が「選べること」、まずはそのことが大切なのです。料理の味の善し悪しを決めるのは「客」であって、「シェフ」や「賞」ではありません。いくら権威ある賞を受賞したシェフが作った料理でも、食べるお客さんが「まずい」と思えば、そのシェフの料理は「まずい」のです。健全なる市場が成立していればこそ、料理の競争が行われます。味を認めさせるための活動も盛んに行われるでしょう。そして自らの舌を頼りに美味を紹介していこうとするものも現れます。伝統の味を磨く者もあれば、新しい味を生み出す者もある。その「厳しさ」のなかで「しのぎを削る」ことにより、結果としてさらに豊かな料理文化がつくりだされていきます。

     この逆のあり方は、計画経済だったかつての社会主義国でしょう。簡単にいえば、物やサービスの善し悪しを「役人」が決める社会です。そのような社会では、えてして作り手も「役人」のお墨付きを得て、生産ノルマをこなすことに躍起になるだけで、消費者の支持を得ようとは考えません。だからこそ、世界が豊かになって消費文化が広がると、商品やサービスの質も悪く十分なイノベーションも起こせなかった社会主義国は、自国民を満足させることができず、資本主義国に次々と敗れていったのです。

     物やサービスの善し悪しを「役人」が決めるのは、社会主義国だけの話ではありません。私たちの社会でも、「市場原理主義が格差社会を生む」などという論理で、「役人」による規制が強められることは、往々にして見られることです。ここは十分に注意が必要です。

     「市場原理主義」などのレッテル貼りで、「市場」のもつ重要な価値を全否定してはなりません。批判の矛先は、「だましてでも儲けよう」と考えて公正さを歪める不法な経営者や、「儲ければすべて善」だとうそぶいて社会への尊敬と感謝を忘れた拝金主義者たちに対して厳しく向けられるべきであって、「市場」そのものを否定するのは間違いです。善し悪しを「役人」が決める分野が広がり、「公正な市場」の分野が狭められていくことは、私たちの自由そのものを失うことと憂慮すべきです。

     「公正な市場」こそが、お金持ちも貧しい人も、すべての人を平等にあつかう唯一の仕組みであり、なおかつ社会の腐敗を抑止する浄化装置でもあることを忘れてはなりません。私たちの知恵と努力は、「いかに規制するか」ではなく、「いかに『公正な市場』をつくりだすか」「そしてそれを私たち自身の力で『いかに維持していくか』」ということにこそ向けられるべきです。

     「公正な市場」を守り発展させ、人々の「選べる自由」の範囲を広げること。それこそが私たちの「自由」の領域を広げ、「自らの天分を活かしきる」機会を守り、それぞれの幸福追求の制度的な礎となるのです。国家の政治を担うものは、役所による規制を極力減らして、「公正な市場」を維持していくことこそが自らの使命だと肝に銘じるべきでしょう。
    コメントする 2012/05/29 14:43

    株式あれやこれや 株の談話室のイメージ

    株式あれやこれや 株の談話室

    サークル
    オフィシャル
    誰でもフォロー可