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  • 「超」悲観シナリオと「超」楽観シナリオ

    <超悲観シナリオ>
     世界経済、新興国の経済成長、米国金融政策、欧州金融危機、日本の政局、日銀の金融政策、東アジアの地政学的リスク、等々、向こう半年~1年スパンで考慮すべき相場材料はさまざまありますが、これらは「考慮すべきこと」と今すでに思われているという点で「既知」のものです。あとは、実際にそれらがどうなるかを見ながら相場対処を考えるということに過ぎません。

     こうした言わば「想定内」の材料であれば、どう変化しても相場の土台を破壊してしまうような悪影響は与えないのではないかと私は思います。(半年~1年以内のスパンで、何か変調が起きて日経平均が7000円を割り込むというような事態は起きないであろうという意味です。)

     それでは、こうした想定内の材料ではなく、今のところは想定外として相場に影響を与えていると思われる材料について、現時点で考えるべきものはないのかどうか?

     天変地異の類は、まったく予想すらできませんので除外するとしまして、そうした想定外の悪材料となりそうなもので、現時点で私が思いつくものが「ひとつ」あります。

     それは、来年3月末で期限が切れることになっている「中小企業金融円滑化法」後の主として地域金融機関の「不良債権問題」です。

     2010年4月から導入された「中小企業金融円滑化法」は2度の延長が行われたのですが、来年2013年3月末で期限切れとなる予定です。

     この法案に基づいて、およそ62兆円の借金が元本返済猶予や返済期限延長となっていると言われています。これを踏まえて2011年10月10日付けの日経新聞は、「不良債権『予備軍』44兆円」という記事を報道しています。
     
     「正常先」、「要注意先」、「破綻懸念先」、「破綻・実質破綻先」に分類されている債権のうち、正常先は問題ありません。破綻懸念先以下も、引当金等ですでに処理されている、という意味で問題ありません。

     問題は、「要注意先」債権のうち正常債権として扱うことを金融再生法が認めている「その他要注意先」と呼ばれる部分です。上記日経記事にある不良債権予備軍44兆円というのはこれらその他要注意先債権を主とするものでしょう。

     法律の期限が切れた後、この不良債権予備軍44兆円のうちどれくらいが実際に不良債権化するか?確たることは分かりません。常識的には10兆円を超えない数兆円といったところでしょうか。

     日本は不動産バブルによって作られた100兆円規模の不良債権を処理した実績がありますから、数兆円の不良債権など問題ではない、と言えるのかもしれませんが、この不良債権発生に着目した「投機筋」の売り崩しが積極化すれば日本株相場が崩落する恐れはあるでしょう。(南欧諸国の不良債権をネタにユーロが売り崩されたのと同じことです。)

     中小企業金融円滑化法案後の不良債権問題+それをネタにした投機筋の動き、もしこれが勢いづくようであれば・・これが「超」悲観シナリオです。

    <超楽観シナリオ>
     シャープの苦境を見ても分かりますが、日本企業の収益悪化の主因は「デフレ」と「円高」です。本当のところは、(デフレや円高であっても収益を確保する経営ができなかった(できない)経営(陣)こそが大問題ということになるのですが。)

     本当に日本企業の経営陣は「株主の利益」を考えているのかどうか疑問、と私は思いますが、現実に資本主義の中で企業経営をやっている以上は、多少なりとも株主(=資本の出し手)のことは考えるでしょう。今企業収益が今ひとつであるのは(つまりROEがなかなか向上しないのは)、「デフレ」と「円高」という「環境」のせい、と見ることにしまして、であるなら、「デフレ」と「円高」が緩和するなら、

    企業収益向上⇒ROE上昇⇒将来のROE向上を期待してPER上昇⇒ROE×PER=PBR上昇⇒株価上昇

    となる可能性があることになります。

     現状では、ROEが10%未満、PERが10倍ほど、ですから、PBRは1倍割れとなってしまっているのですが、これが「デフレ脱却」、「円高反転」となれば、ROE15%くらい、PER15倍くらい、となって、PBR2倍で、日経平均1万5千円以上となる希望も見えるかもしれない、ということです。(1万5千円の日経平均が超楽観シナリオでは多少情けない気はしますが。)

     「デフレ脱却+円高反転」は、実のところ、上記の「超悲観シナリオ」と「地下水脈」で繋がっています。

     ユーロが投機筋によって売り崩されたことも見ても分かるのですが、もし日本が不良債権問題で売られるとしますと、おそらく円が売られるでしょう。それは即「円安」ですから、この「デフレ脱却+円高反転」シナリオに資することになります。

     また、不良債権問題が深刻化すれば、日銀は(いくら何でも)「より強力な金融緩和」をするでしょうから、「デフレ脱却」に繋がります。

     そしてまた投機筋の動き、となるのですが、投機筋が「デフレ脱却+円高反転」を想定して日本株を買う+債券を売る・円を売る、という行動に出れば、壊滅的な金利上昇と円安にならないという条件付きではありますが、日本株上昇という流れに与するかもしれません・・これが楽観シナリオです(超はなかなか付けられませんが。)

     さらには、日本企業の経営陣がROE向上に本当に真剣に取り組むようになり、経営効率を上げるためのバックアップとして政府が各種の規制緩和や助成政策を講じるなら、これは「超」楽観シナリオも可能、ということになるでしょう。

     おそらく向こう半年~1年は日本株相場にとって非常に重要な時期になるだろうと思います。
    コメント2件を表示する 2012/09/02 23:13

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