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  • モデレータの目(2012/10/14)

     日本株の過去10年とか20年のパフォーマンス(リスクに対応した収益率)は惨憺たるものです。およそ投資に値しないものだった、としか言えません。

     過去20年間、デフレで名目GDPは横ばい、つまりふつうの企業にとって名目値である売上高が伸びるような環境になかったわけです。だから売上高を伸ばすことができなかった⇒利益も伸びなかった⇒株価上昇を達成できなかったのはやむを得ない、という理屈になるのでしょう。

     しかしながら現実の株式市場で起きたことは、株価が横ばいだったのではなく、銘柄によっては何十分の1の水準に株価が下落する、というものでした。

     20年ほど前の日本株の平均PERは40倍とか50倍でした。過去20年で日本企業に対する成長期待はほとんどなくなってしまいましたから、平均PERは今では10倍くらい、といった水準に落ちています。

     前述のとおり、名目GDPがほとんど横ばいで企業収益は全体として横ばい程度、と推移して来ましたから、株価はPERが低下した分だけ下落。つまり、全体で見て何分の1かに下落、⇒ 計算とおりの話・・ となるのかもしれません。

     売上・利益が伸びない中でPERが低下、そうした環境下でも例外的に売上成長を達成し利益を伸ばした企業の株価は上昇、それらをひっくるめて株価は全体として何分の1かに下落、⇒ 計算はちゃんと合っている! まあ、そういうことなのでしょう。

     株式投資をする投資家からすれば、例外的に成長する会社があること、それはそれとして、上場企業である以上は、予想PERが下がるに任せるような経営を期待しているわけではない、市場の評価であるPERをある程度保つような経営成果(=ROE)を期待する、というのが当然の要求なのですが、それに応えようとする企業はごくごく少数派だった、ということになります。

     ROE重視、というのは「スローガン」としては多くの企業で言われていることですが、投資家から見て信頼できるようなメッセージが出て来ることは未だにまれなようです。

     そうした投資不適な市場が続いて来ているわけですが、相場は変動しその変動を利用して儲けようとする市場参加者は別にいなくなるわけではない、というのは現実として維持されています。

     相場の変動を利用して儲けよう、という市場参加者は投資家と言うよりトレーダーですが、そのトレーダーの中にもさまざまなタイプがいます。その中には「数ヶ月スパンのトレードで(おそらく10%~30%くらいの率の)利益を上げよう」というタイプのトレーダー(と言いますか、トレーディングの戦術)があります。

     そういうトレーダーが発想のひとつとして取り上げるものの中に「11月に買って5月に売る」という戦術があります。(もちろん表現の上で11月とか5月と言っているだけで、感覚として秋から年末にかけての安値で買って、翌年春から初夏にかけての株価回復時に売る、という意味です。)

     株式市場では、年末に向けて「税金売り」、「ファンドの利益確定売り」などが多く出ることがあります。つまり一般的に言って、夏場以降秋から年末に向けては売り需要が増加する傾向があるのです。

     一方で、年初、とか年度初、には逆に買い需要が増加する傾向があります。

     原因はそれらだけではないと思いますが、そういう需給の「ゆがみ」から、株価が全体として秋に不振⇒翌年春に向けて回復、となるように見えることがよくあるのです。

     今年の秋から来年の春、という局面を見ますと、去年も一昨年もそうだったのですが、どうやら「11月に買って5月に売る」戦術を考えても良いかもしれない、と思えるような展開ではあります。

     来年の春に向けて株価が回復する「シナリオ」についてはまだまだこれからいろいろな検討が必要でしょうが、まずは今年も「11月に買って5月に売る」という戦術を頭に描いて置いて良いように思います。
    コメントする 2012/10/14 17:45

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