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  • モデレータの目(2013/1/20)

     今日書きますことは別に皮肉でも嫌味でもありません。株式相場の「実相」に対するひとつの見方、ということです。

     以前このコラムで「三つの信頼」ということを書きました。

     日本株が低迷していた頃について見ると、「日本株は、売り方が、『政府の政策が反成長』、『日銀の金融緩和がデフレ助長的』、『日本企業が株主利益を無視』、という三つのことに対して『絶大な信頼』をおいているために、常に売りポジションを作るように動く、そのためにPBRが市場平均で1倍を割り込むといった異常な低水準に落ち込んでいる」という理解をすることができる、という趣旨のものでした。

     政府の政策が反成長路線、というのは、分配重視の裏側でもあります。民主党政権の時には、反省長路線が彼らの政策立案のバックボーンのようになっていた感がありました。

     日銀の金融政策については、散々批判され、これは民主党からも同じように批判されたのですが、日銀の独立性を盾に貫徹されていました。

     企業の株主利益無視体質は、極端な例としては、オリンパス事件や大王製紙事件となって表面化したわけですが、低ROE体質を脱することができない最大の原因は、日本企業の多くの経営が株主無視の体質を持っているから、と言わざるを得ないのです。

     昨年11月中旬からの日本株の上昇は、以上のような見方からしますと、「日本株に対する売り方の『信頼が揺らいだ』ため」という風に見ることが可能です。『信頼』が揺らいで、売り方が大慌てで買い戻すようになったために、株価が上昇した、ということです。

     売り方の買戻しで上昇、といったコメントは相場ではしょっちゅう聞くことですが、売り方の『信頼』といった見方はあまり聞きません。そういう意味で、相場の実相を考えるのに役立つ、と私は思うのです。

     今の上昇相場は、私の感覚からしますと、『売り方の三つの信頼』のうち、『政府の過度の分配重視政策⇒経済の足を引っ張る』という信頼は完全に揺らいだ、加えて、『日銀のデフレ選好政策』が部分的に揺らいだ、ということで起きているもの、というところです。

     これら二つが完全に揺らげば、おそらく日経平均は1万2千円水準を超えることができるでしょう。(そういう意味で、明日明後日の日銀の金融政策決定会合には注目です。)

     それだけでもずいぶんほっとしますが、日経平均がさらに上値になるためには、あるいは、持続的に上昇して行くためには、本当のところは、3番目の『企業が株主利益を無視するはず、という信頼』が揺らがなければなりません。

     具体的には、企業の「コーポレート・ガバナンス」が向上する、ということです。

     企業のコーポレート・ガバナンスが向上して、企業経営がさまざまな利害関係者の利害を調整しながら最終的に株主の利益を重視するようになされる、となって初めて、日本株を取り巻く『売り方の信頼』はほぼすべて崩壊し、『買い方の信頼』が醸成され始めるでしょう。(もちろん個々の企業によって信頼は大きく異なるでしょうが。)

     「ふつうの株式市場」とはまさにそういうものだろうな、と私は思いますね。
    コメントする 2013/01/20 17:17

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