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  • さて、ここかからの想定

     先週は、日経平均が週間でわずかな下落(-0.3%)でしたが、水曜日に一時1万1500円を回復しており、日本もようやくリーマン・ショック後の株価下落に近づいたということになりました。

     さて、ここからの相場想定は?となるのですが、強弱さまざまな要素があってなかなか難しいところではあります。

     相場予想が目的、という場合と、自分の運用におけるポジションとか態勢をどうするかの前提として相場想定を考える、というのでは大きな違いが出るのですが、この場では後者を前提として考えてみます。

     すでに昨年11月からの上昇で多くの市場参加者はそれなりの利益(実現益又は評価益)を得ているものと思われます。その証拠のひとつとして、信用取引における買い方の評価損益が先月下旬にはプラスになっています。信用取引の買い方の損益がプラスになる、という状態はかなりまれなことであり、テクニカル指標としては相場の循環的な天井圏を示唆するものと考えられています。(つまり、皆が儲かっているということは、その後には利食い売りが出るわけで、相場は反落する確率が大、という理屈です。)

     循環的な見方をすれば、そろそろ相場は反落してもおかしくない、ということが言えるでしょう。

     一方で、長らく低迷を続けて来た日本株が、ようやく諸外国並みの水準に戻りつつある局面だ、という点も非常に重要です。

     少し話は逸れるのですが、尖閣諸島沖で先週起きた中国の艦船による射撃用レーダー照射事件で、日本側が強く出たので中国が受身に回った、中国側は日本を非難したが、例えばそれで中国において反日暴動が起きたなどということはなかった。株式相場もさほど悪影響を受けなかった。

     こうしたことを見ますと、これまで日本経済が停滞し、対外関係がぎくしゃくし、株式相場が低迷して来たのは、日本経済と企業の競争力が低下したから、という理由以上に、政治・外交や経済運営や金融政策が間違っていたからではないか?対外政策に限らず、経済政策、金融政策を変えればかなりの部分改善がもたらされるのではないか?少なくとも、そう期待することは大きく間違ってはいないのではないか。

     そんな感覚が市場に行き渡っている、という感じがします。そうしますと、株式相場について見れば、これで少なくともリーマン・ショック前の水準には戻れるかもしれない。その水準がどれくらいか分からないが、少なくとも日経平均1万2千円以上ではあろう、ひょっとすると1万3千円~1万4千円くらいかもしれない。そうした相場水準の修正はけっこう短期間に実現するはずだから、目先の反落はあるとしても上昇相場は続くのではないか。

     そんな感覚を持つことは妥当なことだろうとも思います。

     運用における態勢を決める前提としての相場想定からすれば、今は循環的な反落を意識するより、相場の大きな水準修正のための上昇過程の途上、という見方を強く意識する方が良さそうだ、となるのではないかと思います。

     行動とすれば、いわゆる「悋気売り:急騰した銘柄を悋気して空売りすること」は避ける、上昇している相場とはいえまだバブル色は薄いので急騰した割高株の追撃買いは超短期の売買としてしかしない、買い乗せするのであればその後はトレーディングに徹する、評価益となった銘柄でまだ割安と思えるものは売らずにおく、配当利回りが高いのであれば買い銘柄を基本持続とする、トレーディングのチャンスを窺う、などといったことに留意するとなるでしょうか。

     為替相場との関連を考えますと、今のところ「円安と株高」がワンセットといった動きを続けています。今後新しい日銀総裁のもとでさらに強力な金融緩和が実施されることを考えますと、しばらくはこの「円安と株高」がワンセットという動きは続くものと思われますが、円安には日本経済にとってマイナス効果も大きいということを考えますと、政府の方針として

    さらに大幅な円安を目論むということは考えにくいという気がします。

     アベノミクスとしては、「過度の円高が修正された後は円相場が安定し株価がさらに上昇する」ことを目指しているのでしょうから、円相場はうまくすればそのうちに安定領域に入ると想定して良いのではないかと思います。

     相場の想定では、将来起こりそうなことをいろいろ考えるということがもっとも重要であり、過去に起きたことをこと細かく分析することはさほど重要ではない、というのが私の考えなのですが、とはいえ、過去の相場にはそれなりに参考になるものがありますので、今回の上昇相場を考える上で「2005年夏~2006年春の上昇相場」といくつかの点について比較してみます。今回の上昇相場については「アベノミクス相場」、2005年夏~2006年春の相場については「コイズミ相場」と呼ぶことにします。

    1)上昇相場の背景・要因
    コイズミ相場 ⇒ 郵政選挙で圧勝 ⇒ 規制緩和による日本経済の活性化を期待して外国人が大量買い
    アベノミクス相場 ⇒ 自民党政権奪回 ⇒ アベノミクスに期待して外国人が大量買い、加えて個人も市場参加増加(信用取引の規制緩和が追い風)

     相場を見る観点からしますと、どちらがより「買い越しの力が強いか?」となるのですが、アベノミクス相場の方がやや非力か、という感じでしょうか。

    2)上昇幅・上昇期間・出来高
    コイズミ相場 ⇒ 日経平均でおよそ6000円、9ヶ月の連騰
    アベノミクス相場 ⇒ 現時点で日経平均およそ3000円、1月で7ヶ月連騰

     出来高は、アベノミクス相場の今回の方がコイズミ相場時よりはるかに大きくなっています。この点が上昇力に結びつくかどうか?注目ではあります。

    3)円相場
    コイズミ相場 ⇒ 1ドル110円⇒120円台への円安、ただし、2006年初に円安ピークとなりその後は横ばい
    アベノミクス相場 ⇒ 1ドル80円割れ⇒90円台への円安、今後は?

     為替相場は国際的な要因が大きく影響しますので何とも言えないところですが、今の日本政府の発信力からしますと介入なしである程度望ましい水準達成に成功するのではないかという気がしています。

    4)出来事
    コイズミ相場 ⇒ 2006年1月に堀江氏逮捕、ライブドア・ショック(相場への影響は一時的)、3月日銀量的緩和解除決定、6月村上ファンドの村上氏逮捕、7月日銀ゼロ金利政策解除決定
    アベノミクス相場 ⇒ 中国・北朝鮮関連で地政学的リスク、日銀は協力的、市場内部の不祥事は今のところ目だったものはない

     政治情勢、国際情勢などは不透明な要素が多いのですが、市場の内部要因、金融政策面などでは、コイズミ相場時よりアベノミクス相場の今の方が明るいようです。

    5)時価総額等
    コイズミ相場 ⇒ 350兆円レベル⇒500兆円超に増加
    アベノミクス相場 ⇒ 250兆円レベル⇒現時点で330兆円レベル

     今の時価総額の水準はまだまだ低水準です。また、予想PERを振り返りますと、コイズミ相場時には16、17倍⇒25倍、と上昇していました。現時点の予想PERはおおむね20倍(日経平均ベース)です。
    コメント4件を表示する 2013/02/11 12:36

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