檜山良昭の閑散余録

第1回 今年の誓いは「節煙」

「寝覚めの一服」

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。本日から当ネットのコーナーでブログを開くこととなりました。どうかよろしく。
 さて、皆さんは新年に当たってどんなことを誓いましたか?
 私の場合には「節煙」です。「禁煙」ではありません。
 喫煙は大学に入った18歳のころからですから、かれこれ45年間もタバコを吸っていたことになります。この間、何度、禁煙を決意したか。そのたびに挫折して、現在までずるずると喫煙をしているという、ふがいなさです。

 私の一日は「寝覚めの一服」で始まります。布団から起き出すと、小用をしてから食堂に直行し、椅子に腰を下ろして、先ずはタバコを一服。次に薬缶で湯を沸かして、コーヒーを用意し、コーヒーをすすりながら、二本目のタバコに火をつける。これが私の何十年も変わらずに続けてきた「悪習」です。
 江戸時代の文化人はタバコを「目覚まし草」と呼んでいました。寝覚めの一服で、心身ともにシャキッとする。それで「目覚まし草」です。

 禁煙派は喫煙には「十の損失がある」と喫煙派を非難していましたが、喫煙派は「十損があるとは知って飲むからは、たばこにまさる慰みはなし」とうそぶいて、プカプカやっていました。
 私も「寝覚めの一服」に始まり、かつては一日に50本から60本くらいのタバコを吸っていましたが、さすがに健康によろしくないので、5年ほど前からは一日一箱、20本と決めて守り通してきました。

娘には弱い

 今年は、一日20本を半分に減らし、10本を「努力目標」と決めました。家内などは、「口先だけなら誰でもできるわよ」と、せせら笑っております。
 実は年頭に某大学の付属病院で内科の研修医をしている長女から電話がありました。正月から末期の癌患者の病棟勤務となったそうです。
 娘は私にタバコを止めさせたくて、末期の肺がん患者の悲惨さを生々しく説明して、私を脅すのです。受け持つ10人の患者の全員が男性で、喫煙が原因だそうです。抗がん剤治療を続けているが、回復の見込みはなく、苦痛に耐えながら死を待つのみ。
 「パパのそういう姿を見たくないから、タバコだけは止めて」という娘の言葉にはっとなり、「いますぐ禁煙は難しいが、一日10本に節煙するよ」と譲歩してしまったわけです。
 家内に対しては頑固な私も、娘には弱いのです。ただし、禁煙を約束できなかったのは、なんとも情けない。
 さて、これがいつまで続くのか。意志薄弱な私ですが、今のところはなんとか守っています。せめて、この日記が終わるまではと思っております。

 最後にタバコを題にした風流な狂歌を。

  「雲と見る芳野たばこのうすけむり はなのあたりを立ちのぼるかな」

(貞柳作)   

【写真】
 江戸時代の医書から取りました。タバコは便秘を治す治療剤として使われました。図は肛門にパイプを挿入し、医師がタバコの煙を吹き込むところです。現代であれば、女性から猛反発が予想されますね。珍しい図ですので、載せてみました。

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