富澤一誠の“青春四小節”55歳の決心!
 現在の私と、“あのときのぼく”がなりたいと思っていた私との間の微妙なズレ――。これまでは助走期間に過ぎなかったと振り返る音楽評論家が、人生の“本走”に向けて、いま心情と決意を大胆に吐露する。
著者=富澤一誠 プロフィール

THEME 第55回 井上陽水大麻事件の衝撃!

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 そんな穏やかな年をブチ破ったのが<井上陽水大麻事件>だった。
 陽水は、77年9月10日午後1時前、警視庁保安二課に出頭して、大麻取締法違反で逮捕された。調べによると、陽水は7月29日、自分のマネージャーからブッダスティックと呼ばれる棒状のマリファナ20本を10万円で買い、自宅などで吸っていたという。陽水はマリファナを吸った事実を認める供述をし、9月21日、東京地検刑事部により正式に起訴され、22日、100万円の保釈金で保釈された。そして10月11日、東京地裁で開かれ初公判で、異例とも思える即日判決で「懲役8月、執行猶予2年」の有罪判決を受けた。なぜ即日判決になったのかというと、「国の決定にさからうのは悪です」と陽水が深く反省する態度をみせたためだが、この態度に対して賛否両論が巻き起こった。

「我が国における現行の大麻取締法がある限り、私は再びこの法を犯すつもりはございません。なぜなら国の決定にさからうのは悪であり、加えてその決定には国の最高の機関が使われ、可能な限りの資料が集められ、充分に検討され且つ吟味された結果だと私は信じるからです」(原文のまま)

写真:井上陽水の大麻事件を報じる新聞
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