第11回 「見えない税金」を知っておく

太田順治 プロフィール

 「消費税」のように「見える税金」には一般に神経質になる人も、「見えない税金」には意外と無頓着でいるのではないでしょうか。じつは知らないうちにたっぷりと税金を取られていることがあります。今回は「見えない税金」の代表的なものである、たばこ税、酒税、車関係の税金、ギャンブル関係などの税金について改めて考えてみましょう。日頃から「税金」について意識しておきたいものですね。

たばこ税

 小売価額に占める税負担の一番多いのは「たばこ」と言われています。たばこには国と地方の両方が寄ってたかって税金を掛けているわけです。税制改正の論議で、税収が足りなくなるといつも「たばこ税」の増税の話になるのはご存知だと思います。
 JT(日本たばこ産業株式会社)の資料を引用すると、いかにたばこに税金が多いかがわかります。

たばこ税の図

 日本のたばこ税は高いですが、欧米先進国のたばこ税はさらに高いと言われています。イギリスはたばこの税負担は約80%、アメリカは州によって税負担が異なりますが、日本より高いと言われています。

酒税

 アルコール1度以上の飲料および溶解してアルコール1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを「酒類」と言い、これにかかる税金が「酒税」です。
 酒税の納税義務者は、日本国内で作られる酒の場合は製造メーカーであり、外国の酒の場合は輸入業者(持込者)ですが、税の負担者はわれわれ消費者です。
 お酒類愛好者が日頃どの程度の税金を負担しているか見てみましょう。
 酒類の税金を比較するために、350mlの缶の基準で示すと、

酒税の図

クルマ関係の税金

 乗用車を購入すると「自動車所得税」(+「消費税」)がかかり、保有していると「自動車税(軽自動車税)」、新車購入時や車検を受けるたびに「自動車重量税」がかかります。
 さらに自動車を利用すれば、燃料である「ガソリン」価格に含まれる「地方道路税と揮発油税」、バイクなどは燃料である「軽油」の「軽油取引税」、タクシーなどの営業車の場合は、燃料の「LPG」の「石油ガス税」などの税金(すべて国税)を間接的に払うことになります。

1) 自動車取得税
 自動車を購入したときに課税される「都道府県税」で、県および市町村の道路の建設や整備の費用として使われています。
 税率は、現在普通車は取得価額の5%、軽自動車の場合は3%で、ハイブリッド車やメタノール車などは税率が優遇され、それぞれ2.8%(軽0.8%)、2.3%(軽0.3%)となっています。中古車の場合は新車価格に対する残価率が設定され、その残価に対して税率(5%Fなど)がかかります。
 なお、分割払いで車を買った場合でも、所有権は売主(自動車販売会社)が留保していますが、買主である使用者が税金を払います。
2) 自動車税
 毎年4月1日時点での車検証に登録されている所有者に課せられる「都道府県税」で財産税の一種ですが、道路を利用することに対して、その整備費の負担的な意味合いも含まれています。
 税額は、自動車の種類、用途、排気量などの区分により年税額が決められています。例えば、自家用車の場合は
 1000cc超~1500cc年額 34,500円、
 1500cc超~2000cc年額 39,500円、、
 2000cc超~2500cc年額 45,000円など。
 なお、軽自動車(総排気量が660cc以下の四輪車、バイクなど)は「軽自動車税」(市町村税)が課せられます。税額は
 軽四輪車(5ナンバー車) 年額7,200円(自家用乗用車)、
 50cc以下のバイク    年額1,000円など。
3) 自動車重量税
 新車購入時や車検の際に課税される「国税」です。重量税は車両の重さで税額が決まってくるもので、3年分を前払いで支払います。
 例えば自家用乗用車の場合(3年間の税金)
 1トン超 ~1.5トン(小型車) 56,700円
 1.5トン超~2.0トン(中型車) 75,600円 など
4)

ガソリン税
 正式には「揮発油税および地方道路税」と言い、「国税」の間接税、目的税です。
 自動車の燃料であるガソリンが最も税金の高い石油製品と言われています。
 現在(平成19年12月初)のガソリン小売価格145円とすると、

ガソリン税53.8 円( 揮発油税48.6円+地方道路税5.2円)
石油石炭税2.04円
原油関税0.215円
消費税7.25円
-
税金合計63.305円 (税負担率約44%)
<最新情報として>
 政府与党の税制調査委員会は平成19年12月7日、平成20年度の予算編成に向けた道路特定財源の見直しのなかで、4月以降も10年は道路特定財源の暫定税率を維持・継続することを決定しました。「道路特定財源の暫定税率」とは30年以上前のオイルショックを機に、暫定措置として「租税特別措置法」で道路整備費確保のために大幅アップを決め、その後延長されて平成20年3月31日に失効する予定でした。したがって、ガソリン税も自動車重量税も当面下がることは期待できません。
ギャンブルと税金

 競馬、競艇、競輪などの払戻金にも「一時所得税」がかかります。ギャンブルの場合、必要経費は馬券代と交通費だけであり、ハズレ券とアタリ券の損益通算はできないことになっています。

 なお、ギャンブルではないが、「宝くじ」のグループ購入の時に注意してください。
 宝くじの当籤金は「非課税」ですが、グループで買って、当籤金を代表者が受取って後で分配すると、場合によっては「贈与税」だと税務署から指摘されることがあります。とくに親子や兄弟、夫婦などの家族で買ったときは注意が必要です。
 こうした事態を避けるためには、当籤金を各個人の口座に直接振り込むようにするか、グループ買いの証拠となる契約書的な書類(出資者の氏名・住所、出資額および出資にもとづく分配比率など記入)を作っておくと良いと思います。

その他
1. ゴルフをすれば「ゴルフ場利用税」
 ゴルフ場利用税は都道府県が課税する税金です。普通1日700~1000円あたりです。ゴルフが終わり、プレー代や飲食代を精算するとき、領収書を見て初めて気づく人もいます。ただし、地域によってはシニア(60歳か65歳以上)の免税があるところもあります。
2. 温泉につかれば「入湯税」
 温泉を管轄する市町村が環境衛生施設、鉱泉源の保護管理施設、観光振興などに要する費用に当てるために課税する目的です。温泉につかって楽しい気分になりますが、温泉料+1人1日150円ぐらいかかっています。

他にも年金や税金に関する記事があります。こちらもぜひご覧ください。

ライフプラン講座賢い相続年金に強くなる

→前のページへもどる
ぶらっと!